ロミジュリ後編話。少し長くなりました。大人数って書きづらいです……読めば解ると思いますが、アレはミレイさんが横流ししました(笑)
くじ引きの結果
リヴァル×ニーナ
カレン×スザク
ミレイさん×シャーリー
僕×ルルーシュ
という組み合わせになった
「なんで僕らだけ男同士の組み合わせになるのかな……」
「俺に聞くな」
仏頂面のルルーシュだがどこか安堵しているように見える
「でもまぁ、女装させられるよりはマシだな」
「今から女装させられる僕に対する嫌味かい、それは」
ちらりと見ると、彼は肩を竦めてみせた
否定しないところを見ると、そうらしい
「気の持ちようによっては違う受け取り方もできる」
「今の言葉からどう違う意味で取れと言うんだ」
「それは自分で考えろ」
「無責任な発言だな」
「そう言うな。これでも応援してるんだぞ、それに……」
お前の女装も楽しみだ、とルルーシュは悪魔の如く意地の悪い笑みでそう呟いた
もちろんしっかり耳に届いている
「あーそ」
お返しに、ルルーシュの足を……
ゲシッ
「~○▼×◇ッ!!!??」
踏んづけてやった
声にならない悲鳴を上げてルルーシュは足を押さえて蹲る
「ほらほらそこ二人も着替えてっ……ルルーシュ、どしたの?」
「あ、気にしないでください。彼がちょっと大袈裟なだけですから」
衣装を持つミレイさんに、にっこり笑ってルルーシュの存在を無視する
下からの視線が物凄く痛いが、向こうにも責任はあるのでそのまま放って置くことにした
「はい、これライの衣装ね。向こうの部屋で着替えてちょうだい」
渡されたのは長いドレス
たぶん世に言うイブニングドレスとか言う代物のはずだ
「これロミオとジュリエットに関係あるんですか」
「知らないの?ロミオとジュリエットの夜の逢瀬の時、ジュリエットはイブニングドレスだったのよ?」
「え、そうなんですか?」
「そうなのよvv(嘘だけど)」
「はぁ……」
「ルルーシュに悪いことしちゃったかな……」
流石に足を踏むのは不味かったかと、今更ながら後悔
これが終わったら謝ろう
そう思わないとやってられない
「足が見えないだけ、マシ」
そう思い込んでおこう
「あの……着替え終わりまし、た」
扉を開けて、顔だけ生徒会室に出す
「あーっ、やーっと来たわねライーッ」
真っ先に近寄ってきたのは、僕と形の違うドレスを見事に着こなしたミレイさん
そのプロポーションに思わず目がいってしまう
「ほらほら、扉に隠れてないで出てきなさいよっ」
「え、ちょっ会長引っ張らないでくださいっ」
僕の言葉も虚しく
僕は会長に引っ張られ唯一の防御壁であるドアを失った
「みんなーっ、ジュリエット版ライのご到着よーっ」
そのまま腕を引かれ、生徒会の面々が集まる部屋の中央に連れて行かれる
対する皆の反応は……
「「「「「……」」」」」
無言
誰も、何も言わない
そっと俯けていた顔を上げると、何故か皆口が半開きになっていた
「あ、ど、どこかおかしいところあるかな?それとも、僕着方間違えてたりするっ?」
慌てて自分の身体に手を当ててわさわさと検分する
特に変なところは無いようだけど……
ブハァッ
何、今の嫌な音……
なんか床に赤いものが見えるんですけど……
「ちょっ、シャーリーッ!!?」
男物の少し派手な衣装を着たシャーリーが、鼻血を吹いて倒れていた
すかさずミレイさんがシャーリーの鼻にティッシュを詰める
「スザク君、彼女を隣りの部屋のベッドに運んであげて」
「分かりました」
性別に逆らわない洋装のマントを翻して、スザクがシャーリーを抱え上げた
どこか手慣れているように見えるのは気のせいだろうか
「あの、良いんですかミレイさん。シャーリーに付いてなくて」
ミレイさんがスザクの後を追いかけるかと思っていたので聞くと、ミレイさんは困ったように笑った
「いつものことだから気にしないで。10分もあれば復活するから」
「いつも?」
「はい、気を取りなおして観賞会といきましょうかっ!!」
僕の疑問を振り払うかのようにミレイさんはまた手を打った
次いで、僕のほうを見る
「ニーナ、ウィッグある~?」
「あるよミレイちゃん、はい」
ニーナの手からミレイさんの手に渡ったのは僕の髪色と同色の人工的な髪
……長いウィッグだった
ミレイさんはそれを僕の頭に被せた
満足したように二度、三度頷き顔をほころばせる
「はぁ………………可愛い」
「……え”」
うっとりしたような目付きのミレイさん
この顔の時のミレイさんは、危ない
僕は頭の中の警報が鳴り出す前に少しずつ後退……
「何処に行くつもりだ?」
……できなかった
何時の間にかルル-シュが僕の背後に回りこんで肩を掴んでいた
心なしか、頬がピンク色に染まっている
「やぁルル-シュ……足はどう?」
「おかげさまでまだ痛む」
「……ごめん」
「いや、気にするな。俺も悪かった」
いやに素直なルルーシュ
正直に言って気持ち悪い
「お前の女装が見れたから、チャラだ」
そういうことか
もう一回踏んづけてやろうか
今度はヒール付きだ
痛みは先ほどの倍になると想定される
「こーらルル-シュッ!!独り占めは禁止!ほら、離れて離れて」
ミレイさんが僕の腕を引いて鏡の前に移動する
「じゃーんっ、どう?自分で見た感想は?」
「……何か、僕じゃないみたいだ」
鏡の中の自分に、口が半開きになった
男に見えない
顔は自分のものなのに、別人が映っているようだ
双子の妹が映っているような、奇妙な心境
「でしょ?前々からライはこういうの似合うと思ってたのよねー」
「……あはは」
楽しそうなミレイさんにつられて、自然と頬が笑みをかたどる
「会長ー、カメラ持ってきましたよー……って、あれ?」
僕と似たようなドレスを着たリヴァルがカメラを片手にやってきた
写真を撮るつもりらしい
「うわっ、もしかしてライッ!?すげー美人じゃんっルル-シュと張るんじゃないの~?」
おおはしゃぎのリヴァルに苦笑
しかしリヴァルの格好は格好なだけに、お世辞にも似合っているとは言えなかった
「……ライ」
「カレン……その服、似合ってるよ」
「スカートなのがちょっと……」
「でも綺麗だ」
「……貴方も似合ってるわよ」
カレンが一纏めにした髪を揺らして小さく笑う
明らかにからかわれている
「僕、男なんだけどな」
「性別の意味が無くなりそうね」
「勘弁してよ、それは」
くすくすと笑い合っていると、会長が椅子を持ってきた
生徒会室の実用的な椅子ではなく
観賞用に作られたのではないかと錯覚させるような豪奢な装飾の施された椅子だ
「会長、なにしてるんですか?」
「ん、これから二人で記念撮影してもらおうと思って」
「はい?」
「何の為のくじ引きよ、ほらほら貴方は椅子に座って」
強引にその豪奢な椅子に座らされる
そして僕の隣りにルルーシュが
「……なるほど、この組み合わせを作るためのくじ引きだったのか」
「らしいな、会長のやることは毎度毎度手が込んでいる」
「ルルーシュ、人の事はいえないだろ?」
「そっちこそ」
「キミほどじゃないさ」
「そうか?」
「そうさ」
しばらく見つめ合って、どちらからとなく笑みが零れた
その様子を写真に撮られていたと知ったのは、学園新聞に写真が載った後だった(笑)
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テーマ:コードギアス 反逆のルルーシュ - ジャンル:アニメ・コミック