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『コードギアス反逆のルルーシュ Lost colors』のルルとライがひたすらイチャイチャしていればOKなサイトです。 えー、もろBLです(笑)

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銀の目覚め それは反逆への前奏曲

原作沿い連載です

第一話はライとC.C.



act.01銀の目覚め それは反逆への前奏曲

覚醒と眠りの狭間に僕はいた
深淵の闇
僕を取り囲んでいるモノはそれだけ
時折通り過ぎていく気配を感じるが、それも一瞬のこと
風が頬を撫でるようなモノだ
ここは、静かだが逆に居心地の悪さをひしひしと感じさせる
まるで此所はお前の居場所ではない、と言っているかのように、僕の意識を覚醒させ出ていけと僕を弾き出そうとする
その度に、僕は無理矢理この場に意識をねじこんだ
僕の眠る場所はここしかない
ここでしか僕は存在することが出来ない
外の世界では、僕はノイズでしか無いから


ギアスの暴走


それが沢山の人を傷付ける事を、僕は知っているから

もう二度と、大切な人達を喪いたくはない

母のように、妹のように

連れ添っていた騎士のように

ついてきてくれた国民のように

もう誰も僕の所為で死なせたくないから



――詭弁だな


さざ波のように広がる声
凛とした透明感のあるそれに、僕は聴き覚えがあった


「C.C.か?」


――私以外に誰が居る


この横柄な物言いは、確かに彼女以外には出来ない
少なくとも、僕を知っている人間だけに限定すればの話だが


「君は相変わらずの様だな」


――褒めるな


「褒めてないよ」


――……ライ


「何かな」


――どうして私が此処に来た理由を聞かないんだ


「大体予想はついてるからね」


――そうか、ならば話は早い。今すぐその穴から出てこい


「断る」


――何故だ?


「……君は分かっているだろう?」


――分からないから聞いている



嘘だ


彼女は知っている
僕が眠った理由を

彼女は知っている
僕が過去にどんな罪を犯したのかを

彼女は知っている
僕が誰なのかを

彼女は、何をしようとしている……?


「C.C.・・・君の目的はなんだ?」


――お前をそこから引きずり出すことだ


「……」



――あくまでそこから出る気は無いようだな



「……僕は外に居てはいけないんだよ、C.C.」



――何故だ?



「僕は世界にとってのノイズだ」



――誰がそんな事を決めた



「そ、れは……」



――世界がお前をいらないと言ったか?



「……」



――違うだろう。決めたのは世界じゃない、他ならぬお前だ。
お前が自分はいらないと思い込んでいるだけだ。



「違う……僕は、」



――お前は世界から逃げているだけだ



「違うっ、僕は、僕は……」



――いや、違うな。お前は世界ではなく、あいつから逃げたんだ。
   ルルーシュから



「……っ」



――お前の中心はルルーシュ。イコールお前の世界はルルーシュだ。
   お前はルルーシュから逃げ出した。あいつを裏切った



「……、」



――罪を償いたいとは思わないのか?



「……何もせず、此処にいることが、贖罪だ」



――頑固な奴め。致し方ないな
   本当はこんな手荒な真似はしたくなかったんだが……



C.C.の声が一瞬遠くなる
次の瞬間、僕は今までにない遺跡の拒絶を感じた
脳が掻き回されるような激痛と眩暈
それと共に襲ってきた吐気
いくつもの不快な感覚が体を突き抜ける中、僕は必死になけなしの意識を総動員して意識をねじこもうとした




――ライ、1つ言い忘れていた




――ルルーシュが、ブリタニアに売られた




「……っ?!」




思わぬC.C.の言葉に意識がそれた瞬間、僕の防壁は脆く崩れ去った




気が付くと




懐かしい岩壁と、翡翆の魔女が目の前に居た




翡翆の魔女は呆然としている僕を見て、悲哀と友愛の籠った笑みを浮かべた




「おはよう、銀の騎士」

「……どう、して」

「私は魔女だからな。遺跡と同調することなど容易い」

横柄な物言いでふん、と笑う彼女に、遅ればせながら怒りが込み上げてくる

「……C.C.、どうして僕を出したんだ」

「お前の力が必要だからだ」

「僕の、力……?」

一度眠った僕に彼女は何を求めるというのか
僕には、もう力など……

「さっき言った事は覚えているな」

「……っ」

――ルルーシュがブリタニアに売られた

C.C.の言葉が僕の中で繰り返し再生される
何度も何度も
壊れた蓄音機のように

「私はアイツを、助けたい」

僅かに伏せられた瞳
それが全てを物語っていた

あぁ、そうか
ルルーシュは本当に……
だが、何故?
彼には黒の騎士団という盾であり鉾である者達が居た筈なのに

「ライ」

「……」

「お前もアイツを助けたいだろう?」

助けたい
当たり前だ
即答しそうになる口を閉ざし、胸の内だけで答える
彼女はそれがお見通しなのか、ゆっくりと僕に手を差し出した

「ライ、既にお前の中で決まっている筈だ」

お前の選ぶべき道が

言外に問われ、気付いた時には頷いていた
引き寄せられるように差し出された手に自分の手を重ねる

「……取り戻そう、僕等で」

「あぁ、だがその前に」

「……?」

「おかえり、ライ」

今までになく優しい微笑みを浮かべるC.C.
その笑顔に、胸が温かい何かで満たされた
C.C.は、わかっていたんだろう
僕が何かを抱えている事も
それが何であるかも
僕は涙が出そうになるのを堪え、感謝を籠めて今できる精一杯の笑顔を向けた

「ただいま、C.C.」





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テーマ:コードギアス 反逆のルルーシュ - ジャンル:アニメ・コミック

| 黒と銀の軌跡本編 | 22:58 | trackback:0commnet:0
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